story

虐待やネグレクト、非行などにより『居場所』を失った子どもたちの「心」に迫る。そして自身の経験から、当事者の心で子どもたちを守ろうとする大人たちの戦いに密着。

大人を信じられない子どもたち 殴られながらもそれが普通と思い生きてきた子どもたち

そして自身も虐待や親との不仲、非行で親や大人とぶつかってきた、当事者としての気持ちをわかりあえる大人たちの寄り添いが、子どもたちに変化をもたらしている。

子どもたちの悲痛な叫び、親の本音も交えながら、彼ら彼女だけの責任なのかを社会に問う。

苦しみを乗り越え生きている子どもたちの「生きる力」を、今苦しんでいる子どもたちに伝えたい

一人一人にどれだけの大人が関わってこれたのか、深く抱きしめてくれる人はいたのか。

血のつながりを超えての家族はあり得るのか。


生きづらくなっていく世の中で、支え合う社会のあり方を一緒に考えていけたら。


自立援助ホーム

虐待や家庭環境等で児童相談所を経由して入所してくる15~20歳の青年たちが抱える葛藤と未来。20歳で卒業するまでの間、規則正しい暮らし、働くことを学ぶとともに心身の傷を癒していきます。どんな大人に出会い、信頼関係を築けるかで青年たちの暮らしは大きく変わる、と自立援助ホームの支援員は語ります。

児童養護施設

児童養護施設にはさまざまな背景の子ども達が入所してきます。彼らを一番近くで見つめる大人の想い。

オンライン子どもの居場所

オンライン居場所に集まる、施設への保護を望まない子ども達。家で苛烈な虐待があったとしても、居場所である学校や友達を失うことは思春期の子ども達には恐怖です。保護される事で繋がりを失うかもしれない、踏み出せずに耐えるしかない現状を伝えます。

非行少年の自立を支えるNPO

頼れる場がなく、社会への不信感をぶつけてくる少年たち。荒れた青年たちに向き合い続けるNPO。少年院・少年刑務所に入った青年の面会から、出所後の相談まで粘り強く取り組んでいきます。連絡がつかなくなったり約束を反故にされることも度々ある中、それでも向き合い続ける、その想いを取材。

子ども第三の居場所

見守りが必要な家庭の子どもたちが放課後を過ごす「子ども第三の居場所」。ひとり親家庭で学校が終わってから夕飯・お風呂までのケアが必要だったり、多子世帯で手が回っていなかったり、親御さんが精神的にギリギリだったり、利用家庭は様々。「ちょっと心配だな」に一歩踏み込むケア側と「ちょっとしんどいな」と一歩勇気を出して相談する家庭側と、少しずつ距離を縮めていきます。

相談できる人を見つけられなかった
子どもたちを見守る大人たち

それぞれの子どもたちに必要なサポートの形。一人一人にどれだけの大人が関わってこれたのか、深く抱きしめてくれる人はいたのか。血のつながりを超えて支え合う社会に。


自立援助ホームとは

15歳〜20歳までの家庭に事情のある児童が入所して、自立を目指すホームのこと。2014年10月現在、全国で118か所が設置されています。

 義務教育まで児童養護施設に入所していても、高校に進学しない場合は施設を出なくてはなりません。そういった児童の15歳以降の生活場所として里親家庭、自立援助ホームなどがあります。

児童養護施設で継続して暮らさなかったということは進学含め、なにがしかの課題があったということ。退寮する20歳までの間に傷を癒やし、社会にでる訓練を受けていきます。

  映画「旅のはじまり」製作委員会 2021